第139号 PARTNERコラム
国際キャリアを生かし、離島でグローカルに働くという選択肢(後編)

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人口減少、高齢化、産業の担い手不足――。日本の多くの地域が直面する課題を、海士町はすでに経験してきました。
島根県隠岐諸島に位置する人口約2,300人の離島・海士町は、いわば「課題先進地域」です。
しかし同時に、そうした制約条件を前提にしながら、地域づくり、教育、産業の分野で数多くの挑戦と成果を積み重ねてきた町でもあります。


海士町の風景・産業

海士町の風景・産業


「ないものはない」という言葉に象徴されるように、海士町のまちづくりは、外から与えられる正解を待つのではなく、地域にある資源と人の力を掛け合わせ、自ら道を切り拓く実践の連続でした。


町内の空家を若者が住める場所に変えていくのも挑戦の一つ

町内の空家を若者が住める場所に変えていくのも挑戦の一つ


高校魅力化を核とした教育改革では、全国から生徒が集まり、地域と学校が一体となった学びの場を創出しています。
産業分野でも、一次産業の高付加価値化や新たな担い手の育成に取り組み、雇用と生業を生み出してきました。


JICA青年研修では、多くの高校生や町民が研修員に海士町の魅力を伝えてくれます。

JICA青年研修では、多くの高校生や町民が
研修員に海士町の魅力を伝えてくれます。



こうした現場で求められるのは、制度や前例に頼る力ではなく、現場に入り込み、住民や関係者と対話を重ねながら、限られた資源の中で最適解を探る力です。
それはまさに、JICA海外協力隊などで開発途上国の地域で培ってきた姿勢や能力と重なります。
文化や価値観の異なる人々と信頼関係を築き、試行錯誤を恐れずに行動してきた経験は、日本の地方で即戦力となるはずです。


海士町で保健師として活躍する協力隊OV

海士町で保健師として活躍する協力隊OV
「日本でも輝こう」個人編③より



実際に海士町では、JICA海外協力隊経験者が行政職員や教育・地域分野の担い手として活躍し、国際協力の経験を地域づくりに還元してきました。
海外での学びを、日本社会が直面する課題の最前線で活かす。
あなたの国際協力の経験を次の価値へとつなぐ一歩として、地方で働く選択肢を考えてみても面白いのでは?




(写真:河添靖宏)

河添靖宏
1992年度3次隊、マレーシア、村落開発普及員(現在のコミュニティ開発)
2022年6月にJICAから海士町に出向。
海士町発の国際協力と共に、グローカルな視点から海士町内の地域創生に取り組んでいます。

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