第485号 シリーズ 国際協力の第一線(団体編)~私の信念~
NPO法人ISAPH 赤羽 由香
“現地人を理解し彼らのペースに合わせる”
“ある時は主役、ある時は裏方”
“現地になじむ”
国際協力の仕事に携わるようになって、まだ経験の浅い私ですが、これが私なりのモットーです。 援助は私たちだけでは出来ません。現地人と共に活動を進めるには彼らを理解し、彼らのペースに合わせることが大切です。 また援助をする上で大切なことの1つに、援助は彼らの自助努力を補完するものであり、途上国の人々が自ら事業を継続的に行えるようにすることではないかと考えます。 これまで途上国で活動を行ってきた中で、例えば彼らに何か指導を行った際に、知識や経験がある人ほど自分たちのやり方に誇りを持って取り組んでいることに気がつきました。
また、当たり前ではありますが、彼らは新しい事を知る機会さえあれば彼ら自身でやっていく能力をもっています。 それからは私たちのやり方を強要するのではなく提供するだけ、彼らを後押しするだけでも良いのではないかと思うようになりました。 もちろん必要に応じて適切な方法を理解してもらう必要もあります。そういう意味で、国際協力の仕事をするとき、ある時は私たちが主役になって物事を進めることが必要だし、 またある時は彼らを信頼し後押しするだけで裏方となることも必要だと感じます。そして、彼らを理解するためには色々な意味で“現地になじむ”これにつきると思っています。
現地で仕事をしていく上で、その国の社会や文化、人々が何を考えているのかを理解しなければ円滑に活動を進めていくことが出来ないと私は考えます。 そのため現地の生活、文化等を自ら経験し理解すること、つまり“現地になじむ”ことが、彼らを理解する方法の1つではないかと思っています。 「そんなことは当たり前だ」「いや、他にもっと大切なことがあるだろう」・・・など皆さんにもそれぞれ信念があると思います。
現在私は、 NPO法人ISAPH という団体に所属しています。当団体は地域に根ざし、直接住民に母子保健活動を実施し、母子の健康増進ならびに地域保健の向上を目標に活動を行っています。 パートナーシップと支援による地域保健医療の向上を目指しており、アジア・アフリカで活動しています。アジアではラオス人民民主共和国で活動しており、私はラオスの事業に携わっています。 現在は、新しい地域での母子保健プロジェクトが始動したばかりです。今後活動を進めていく中で更なる問題・課題が出てくることが予想されます。
問題解決に取り組むにあたっては、ただ単純に起きている問題だけに目を向けるのではなく、なぜその問題が起きているか、その背景を考えなければ問題の根本的な解決にはならないと考えます。 その背景にはその国の文化、環境や社会状況が大きく関わっていることも多いからです。ですので、彼らの文化、環境や社会にも目を向けていく必要があります。 そして自分のモットーを念頭に彼らと信頼関係を築き共に取り組んでいきたいです。
さて、ラオス生活もJICA海外協力隊員時代を含めると数年、最近では「あなた日本人なの!?ラオス人かと思った。」と現地人からも日本人からも間違えられ、 「○○はどこにあるの?」と彼らから道を聞かれることもしばしば。彼らと比べたら、まだ肌の色は白いはずなのに、自分では日本人顔だと思うのに・・・なぜ?と疑問に思いますが、 “現地になじむ ”を目標にしている私にとっては現地人に間違えられることは本望、素直に喜ぶことにしています。
前述にもありますが“現地になじむ”ことで、 その国の社会や文化、人々が何を考えているのかを理解することができ、彼らも私たちを受け入れてくれるようになり、信頼関係も構築出来ます。そうなると活動も円滑に進めていけるのではないでしょうか。 ですので、これからも私の3つのモットーを胸に国際協力に携わっていきたいです。
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