第502号 連載コラム「ぷろのぶ~国際協力を傍らに、本業に打ち込む若者たち~」(第7回)
『仲間とつながり世界とつながる国際協力』
こんにちは。みさとです。
◆私にとっての国際協力
【子供~大学生】
子供の頃から、親の収入や考え方によって(特に女子に対する)教育への意識が違うことを肌で感じ、 中学生の頃には貧困格差に関心を持ちました。 高校(進学校)では、塾や教材など勉強のサポートを親から惜しみなく与えてもらっている友達や、女子だという理由で、 地元に留まるように親から説得されている友達がいることに驚きました。 こんな日本の端にもある格差が、世界ではどのような課題になっているのか、という視点で、世界の貧困格差に関心を持ちました。
大学では、留学生支援団体や模擬国連を通じて、学問として貧困格差を学びたいと思い立ち、スウェーデンに交換留学しました。 日本の大学ではあまり会ったことのなかった中東やアフリカなど様々な国の友人ができ、各国の抱えている課題について話すことで、視野が広がりました。 しかし、理論を学んでも実感が伴わなかったことから、帰国後はNGO就職も視野に入れて、フィリピンのゴミ山で働く母親やその村の子供を支援するNGOでインターンをしました。
フィリピンでは、活動場所の民家にホームステイし、子供達に英語や栄養バランスの大切さを教えたり、フェアトレード商品のアイディアを出したり、水路やトイレ、学校を専門家と一緒に建てたりしました。 毎日泥だらけになりながらも、少しずつ現地のスタッフや住民の方との信頼関係を築くことができ、行動で示して信頼を得ることの大切さを学びました。
フィリピンでは、毎日の停電や、大雨で川が増水し村から出られなくなるなど、特に電気や道路などのインフラが整っていないことで、 受けられる教育や得られる仕事に制約があると感じ、また、自分には社会人としての基礎的な力がないと思い就職を決意。帰国後、インフラ関連の仕事を探しました。
そんな中で東日本大震災が起こりました。単発のボランティアを繰り返す中で、友人の誘いを受けて、 人や活動の輪が広がることを通じて復興が少しでも進むようにという思いから、震災復興に向けて地元や国内外で働いている人たちが 登壇する500人規模のイベントを開催しました。
ずっと海外に目を向けていた中、震災をきっかけに、東北の文化や、誇り高く暖かい人たちに圧倒され、 また同時に、大切な人との別れ、過疎化や文化、生活基盤の消失など沢山の問題があることに愕然としました。
住んでいる場所にかかわらず、突然の災害などで、大切なものを失ってしまうこと、地上に整備されていたインフラも、 一気に壊れてしまうことを目の当たりにし、どこに住んでいる人にも役立てるような技術に関わりたいと思い、 人工衛星の部署がある仕事を選びました。 人工衛星によって、宇宙から防災の研究や通信衛星環境の整備に貢献できないかと考えました。
【社会人~】
東京で働き始めたものの、思うようには希望の部署にも国際協力案件にも関われず、 休暇を使ったスタディプログラムへの参加や国際問題に関心のある仲間との企画を通じて、 インドの女性支援を行うマイクロファイナンス機関やインドネシアの教育NGO、 ネパールの震災復興支援を行う国際機関などを訪問し、現場の声を聞く機会を得ました。
週末には社会起業家の方と会うことが多くなりました。国内外に関わらず、自分たちに縁ある国や地域の魅力を発掘し、 より良い場所にしていこうと、日々活動する人々の思いに触れました。
仕事では人間関係に苦しみながらも、科学技術という視点から社会を良くしようと熱心に活動する研究者や先生達と出会い、 上司の勧めもあって、今は期限付きではあるものの、地球観測を通じて防災や環境問題解決を考える国際的な会議の企画に関わっています。
女性の先輩や友達と結婚やキャリアの話をしながらも、自分が今後どうやって国際協力に関わり続けていくか考える日々です。 家族や友人、そして身近な活動や出会いを大切にしながら、いろいろな制約も機会と捉えて楽しみながら動き続けていこうと思っています。
◆ぷろのぶとの出会いと活動
自分のキャリアについて悶々とし夜更かしをしていたある日、 早朝に開催されるという「旅の勉強会」という集まりを偶然Facebookで見つけました。 様々な国を見てきた人の話を聞いてみようと、翌朝飛び入りで参加しました。 そこでやんまー※と出会い、その日の夜に国際協力に関心がある若手社会人の会(第1回目)を開くというので参加しました。
初めはそれぞれの関心をもとに、勉強会をしていましたが、具体的に海外のNGOと一緒に”何か”やりたい。そんな漠然としたことを考え続けました。 大学時代の友人から、インドネシアの教育NGO、Hoshizora foundationの紹介を受け、まずはメンバー3人で訪問しました。
日本の国際協力に関心のある社会人は、NGOと一緒に何ができるか、Hoshizoraの代表と話しながら、困っていることを聞き、 財務会計や、ウェブサイト、イベントなど日本のメンバーたちと出来ることを探りました。 そして、帰国後、関心のある仲間を連れて、今度は10人くらいのメンバーで渡航。 それぞれの知識を活かして、ボランティア(プロボノ)としてお手伝いをするきっかけを作りました。
ぷろのぶは、会計や広報、イベント企画などメンバーそれぞれの得意なこと、関心があることを一緒に取り組むプラットフォームだと思います。 国際協力に関心があっても、なかなか実行に移せていない人や、やりたいことがあるけれど仲間が欲しい人などが出会える場です。 それぞれ限りある時間の中で、できることを活かし、仲間と学び合って、行動に移すことのできる場にこれからもしていきたいと思います。
※山本陽平さん(やんまー)
(第1回コラム執筆者/
news_494.html
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