【就活特集 Vol.1】若手社員に聞いてみた!
国際協力業界のリアルな就活&キャリア事情(2026年卒向け)
就活は学生にとって、大きな悩み。国際協力業界を目指す人にとってもそれは同じです。今回は実際に、新卒で国際協力業界のうち開発コンサルタント企業に入社し、働く若手社員2人にそのリアルを語ってもらいました。
今回、インタビューに答えてくれたのは、株式会社 オリエンタルコンサルタンツグローバル(以下、OCG)入社2年目の地球環境・農業開発部 松本 諒さんと、入社4年目の都市地域開発部 平和構築分野 仲佐 梨奈さん。
国際協力や開発コンサルタントに興味をもったきっかけをはじめ、就活生時代のお話から現在のお仕事まで、色々と教えていただきました!
若手社員2名に聞く!国際協力に興味を持ち、現在のキャリアを選んだきっかけは?
――お二人が国際協力に興味を持ったきっかけや、学生時代の活動について教えてください。
松本さん:
大学では、環境問題に関わる地下水の研究をしていました。
もともと海外で働きたいと思っていて、3年生のときにNGO団体のバングラデシュでの地下水調査に参加する機会があり、現地での経験が国際協力業界への関心を高めるきっかけになりました。
仲佐さん:
私は中学生の頃から国際協力自体には興味あったので、具体的なきっかけは曖昧です。
大学時代も開発学や国際政治を学んでいたのですが、アフガニスタンで活動するNGOの話を聞く機会がありました。
そのなかで、平和のために具体的にできることがあると知り国際協力業界への興味が湧くと同時に、実際にプロジェクトに取り組んでいる開発コンサルタントについて知り、感銘を受けました。
――松本さんは理系ご出身、仲佐さんは文系ご出身なのですね。学生時代の経験は、どのように就職活動や今のキャリアにつながっているのでしょうか。
松本さん:
バングラデシュの経験から、自分が携わりたい『環境』×『海外』というテーマが明確になり、開発コンサルタントの仕事が自分に合っていると気づきました。
そこからの就活は、様々な企業の研究を行いましたが、海外での実務経験が積める開発コンサルタントの仕事に魅力を感じ、OCGを選びました。
仲佐さん:
就職活動の際には、NGOで働くことも考えていましたが、NGOでは3年ほどの社会人経験が必要な場合が多く…
そのためにまずは民間企業で社会経験を積むことが必要だと感じ、OCGでのキャリアを選びました。
仕事を通して実現したい、それぞれのキーワード
――では、業務のお話に入る前に、お二人が働かれているOCGについて簡単に教えてください。
松本さん:
いつも友人などに会社について説明する時、なかなか難しいなと思うんですよね。
「開発コンサルタント」という業界を知らない方には、国際協力プロジェクトの実施をサポートするコンサルタント企業だと伝えています。
具体的には、JICAのような国際協力機関の協力方針や現地のニーズを把握し、実際の現地調査やプロジェクトを契約に基づいて実施するイメージです。
仲佐さん:
私もいつも難しいなと思いますが(笑)、このイメージで間違いないです。
――異なる背景から偶然同じ会社に入社されたお二人。担当の業務を教えてください!
松本さん:
現在は主に気候変動や森林保全に関連する、合計3つのプロジェクトに参加しています。
具体的な内容は、ブラジルでの農地改良プロジェクトや精密農業のデータ連携を進める取り組みですね。
また、日本企業の技術をASEAN地域の環境問題の課題に活用するプロジェクトにも携わっています。
仲佐さん:
私のチームでは主に、紛争の影響を受けた国で、難民キャンプの支援や、行政能力の強化や住民のニーズを行政に反映することなどを目的としたプロジェクトを取り扱っています。
普段私たちがやっている業務は、平和構築ガバナンスという名前の通り、JICAのガバナンス・平和構築部が計画しているプロジェクトを受注して実施しています。
紛争影響国などの行政能力強化、中でも特に住民のニーズを行政に反映するといったことを目的としたプロジェクトが多いです。
――国際協力の仕事は、途上国の現場で活動されることが多いと思いますが、特に印象に残っているエピソードはありますか?
仲佐さん:
パレスチナ西岸地区の難民キャンプ改善プロジェクトに携わったときの事です。
約70年前から難民が自力で住処を築き、街のようになっていましたが、計画的に建設されたわけではないのでインフラが整備されていなかったんです。
行政や住民と協力し、話し合いながら一つずつ問題を解決していきました。見た目の裏には、背後に多くの課題があるという現実を知ったのが印象的でした。
私は直近では国内調査が多いのですが、松本さんは最近どうですか?
松本さん:
普段私たちがやっている業務は、平和構築ガバナンスという名前の通り、JICAのガバナンス・平和構築部が計画しているプロジェクトを受注して実施しています。
海外出張は、入社して1年半ほどで計4回。期間はプロジェクトや進行状況によって異なり、長期滞在もあれば、3泊4日などの短期もありました。
私の誕生日と渡航のタイミングが重なった際、現地のスタッフに誕生日を祝っていただき嬉しかったことが印象に残っています。
入社後、早い段階から海外で活動するという希望がかなっているので、嬉しいです。
――「平和」と「環境」、それぞれが目指すテーマに携わっていらっしゃるんですね。やはり文系と理系で進路の選び方に、違いはあるんでしょうか?
仲佐さん:
業界を選んだ動機って、文系と理系の違いが結構出る気がします。私や松本さんを含む「技術職」のうち、文系の方の割合は、おおよそ2割くらいです。
文系出身の場合は、私の「平和構築をしたい!」という動機のように、目的から進路を考えることが多いように思います。
理系の人たちはそうではないと入社してから知り、面白いなとも感じました。
松本さん:
理系や技術系の方は、仕事内容ありきで就活を始めている方が多いと感じます。
確かに、文系の方はリベラルアーツなど多角的な視点での学びを通して「平和構築」にアプローチできると思うので、違いはあるなと思いました。
就活生へのアドバイスは?具体的なアクションを紹介!
――国際協力業界を目指している学生にとって、具体的にどんなスキルや経験が役立つのか、アドバイスをお願いします!
仲佐さん:
英語はどの国でも使えるので、基本のスキルとして学んでおくと良いです。
翻訳アプリでもできるかな?と思っていたんですけど、やはり自分の言葉で話せると、現地の方とも早く打ち解けられます。
もし特定の国やプロジェクトに関心があるなら、その国の公用語を学ぶのも有効です。
例えば、ブラジルならポルトガル語ですし、アフリカのフランス語圏で活動したいなら、フランス語を勉強しておく。やりたいことが明確なら、絶対役立つと思います。
松本さん:
OB訪問を活用して、実際に企業の現場を見ることは、仕事のイメージがより具体的になるため、おすすめです。
また、仲佐さんもおっしゃっていた言語、特に英語を話せることはかなり有利だと思います。
私は大学時代にたまたま英語を使う環境にいたので、日常会話くらいは可能だったのですが、もっと勉強しておいても良かったかなと思っています。
――英語の他に、支援したい国の公用語も学ぶことも大切ですね。現地の方との信頼関係を築くために、自分の言葉でコミュニケーションすることが重要だということもわかりました。
新卒採用担当者に聞く! OCGの新卒採用について
国際協力業界を目指す就活生のみなさんに、OCGが求める人材や採用の実情について、新卒採用担当者である総務部の辻 明菜さんに話を伺いました。
――OCGでは、新卒採用を始めたきっかけや、実際の採用状況について教えてください。
会社の設立当初より、新卒採用を積極的に行っています。
弊社独自の多彩なサービスを通じた社会貢献を拡大・深化させるために、新しいアイデアや柔軟な考え方を取り入れることが不可欠です。
新卒採用を積極的に行い、組織全体の成長を目指しています。理系出身の社員が多く活躍しておりますが、仲佐さんのように文系出身の社員も多く活躍しています。
――どんな人材を求めていますか?
プロジェクト単位で業務が進むので、コミュニケーションを取りながら協力して仕事を進められることはすごく大切です。
コミュニケーションを取り、協働して仕事ができる人、受け身にならず、主体的に物事を考えて行動できる人を求めています。
――毎年どのくらいの人数を募集し、どんな学生が入社していますか?
毎年、20名ほど募集をかけています。
今までの傾向としては、技術職が中心なので、理系の学生が多い印象ですね。
入社する人たちの中には、大学時代に国際協力に関わった経験のある方もいれば、あまり関わりのなかった方もいて様々です。また、語学力を活かしたいとか、海外で働きたいという学生もいます。
――最後に、これから就活を迎える学生にメッセージをお願いします。
国際協力というやりがいのある分野で、自分のスキルを活かして世界規模の課題に挑戦したいという気持ちのある方は、ぜひ色々な団体の活動を調べてみてください。
弊社では、会社説明会や分野ごとのインターンなどを定期的に実施していますので、興味があればぜひ参加してみてくださいね。
また、OBOG訪問は随時受け付けておりますので、お気軽にお問合せください。
気になる企業や団体に、積極的にアタックしてみよう
大学卒業後すぐに開発コンサルタント企業で働かれているお二人のお話から、国際協力業界を目指したきっかけや、就活の進め方について多くのヒントをいただきました。
国際協力と一口に言っても、どのように途上国支援に関わりたいか、その中でどのような仕事をしたいかなど、人によって国際協力への関わり方は多岐にわたると分かりました。
気になる企業や団体があれば、まずはOB訪問やインターンに積極的に参加し、実際の現場に触れてみるのも良いかもしれませんね。
次回の記事では、NPO法人の新卒採用のリアルを取材します!
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