【就活特集Vol.3】「新卒では難しい」は本当?
オイスカ職員2名が語る、等身大の国際協力キャリア(27卒・28卒向け)
国際協力は、専門知識がないと難しい――そんな不安から、一歩を踏み出せずにいる人もいるのではないでしょうか?
今回は、農村開発や人材育成に取り組む国際協力NGO「公益財団法人オイスカ」の新人職員2名に、内定を得るまでの新卒就活の経験を伺います。
バックグラウンドもきっかけも異なる二人が語る、学生時代に力をいれたこと(ガクチカ)、就活スケジュールや軸、そして新卒1年目の実感とは?|
国際協力業界に興味がある方や27年卒・28年卒で就活中の学生の方に向けて、キャリア選択のヒントをお届けします。
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国際協力業界が選択肢になった日
――お二人が国際協力や海外を意識したきっかけは、いつ頃のことでしたか?

シトラさん:
私はウズベキスタン出身で、小学生の頃から家族とニュースを見ながら、世界で起きている問題に関心を持つようになりました。
特に、故郷の中央アジアはアフガニスタンと接する地域なので、関連するニュースはいつも気にかけていました。
高校生になって将来のキャリアを考えた時、「途上国に関する問題を解決したい」と自然に考えるようになり、国際協力の道が一番興味を持てる分野だと感じ、大学進学をきっかけに来日しました。
濵﨑さん:
私の最初のきっかけは、高校3年生の時にインドへ行ったことです。 母の知人がNPO法人を運営していて、その活動に同行させてもらったんです。
そこは、インドの田舎やネパールから売られてきた少女たちが、望まない妊娠で産んだ子どもたちをかくまう幼稚園を支援している団体でした。
私にとって初めての海外経験だったのですが、本当に衝撃的で……。
日本で何不自由なく暮らしてきた自分と、国が違うだけでこんなにも差が生まれる現実に、すごくショックで、やるせない気持ちになりました。 それが一番大きな原体験です。

――そのきっかけが、大学での学びに繋がっていくのですね。
濵﨑さん:
そうですね。インドでの経験もあって、元々海外には興味がありました。
ただ、高校生の時は「絶対にこれがやりたい」という明確な夢がまだなくて。

高校時代の部活動の様子
周りには「先生になりたいから教育学部を選んだ」という友人も多かったのですが、私は海外に興味があることと、経済は幅広い分野を勉強できそうという理由で国際経済学科を選びました。
大学の4年間で自分のやりたい夢を見つけよう、という思いでしたね。
シトラさん:
私は大学で国際協力を専攻し、3年生の時に国際経済学のゼミに入りました。

東洋模擬国連の学生インターンチーム
ニュースで起きていることをただ鵜呑みにするのではなく、経済の視点から数字やデータという根拠を持って自分で分析し、判断できる力に魅力を感じて、経済学にも興味を持ちました。
「ガクチカ」をどう活かす?「就活の軸」や就活スケジュール
――学生時代に最も打ち込んだこと(ガクチカ)は何ですか?
濵崎さん:
大学3年生が終わった後に1年間休学して、オーストラリアへワーキングホリデーに行ったことです。
コロナ禍で留学の夢が絶たれていたのですが、「今行かないと、もう長期間海外で生活するチャンスはないかもしれない」と思って決断しました。

オーストラリアでお世話になったご夫婦
最初の1ヶ月は語学学校に通いましたが、その後の家探しや仕事探しは全部自力。
英語のレジュメ(履歴書)を作って、直接レストランなど40軒くらいに配って歩き、仕事を獲得しました。
大変でしたが、行動した分だけ自信になりましたし、20カ国くらいの友達ができたことも大きな財産です。
シトラさん:
私は卒業論文に一番打ち込みました。 中央アジア・アフガニスタン関係という、自分の関心の原点でもあるテーマを選び、3年生の時から研究を始めました。

研究の過程で学会に参加する機会があったのですが、学生は私一人。
その分野の専門家である教授陣の中で、自分の研究を発表し、交流できた経験はとても刺激的でした。
「私も将来、こんなふうに自分の専門性を持ち、社会に貢献できる人材になりたい」と強く思いましたね。
――対照的なガクチカですが、共通するのは自分で動く力ですね。就活スケジュールはどうでしたか?
濵崎さん:
私はワーホリから帰国したのが、4年生になる直前の2月。インターンシップも何もしていなかったので、世の中の学生よりかなり遅いスタートで、本当に大慌てでした(笑)
まずは大学の就職課に駆け込んで、プロの方の意見をもらいながらガクチカや自己PRの整理をしました。
その上で、オーストラリアでの経験をどう伝えるか、自分の就活の軸は何か、自己分析を重ね、面接に備えました。

シトラさん:
私もスタートは遅かったです。9月卒業だったのですが、卒論やインターンに集中してから…と思っていたら、本格的に始めたのは4年生の5、6月でした。
私の場合は、大学のキャリアセンターにすごく助けてもらいました。 自己分析の相談に乗ってもらったり、どう仕事を探すかを一緒に考えてもらったり…。
私の大学から国際協力分野、特にNGOやNPOに新卒で就職する先輩は多くなかったので、キャリアセンターの職員の方との対話は貴重でしたね。
――スタート時期も異なるお二人。就活の軸はどこに置いていましたか?
濵崎さん:
私も慌てて考えたのですが、就職課の先生や家族とも相談して、3つの軸を決めました。
「①人を前向きにさせること」「②挑戦ができること」「③自分がワクワクするか、やりがいがあるか」です。

就職活動時に書き留めたノート
当初は、環境系や海外と関わりのある民間企業や公的機関を志望していました。
人材紹介会社も検討しましたが、大学の講義や日々のニュースを通じて、外国人材を取り巻く課題について学ぶ中で、より長期的な視点で人材の成長を支える仕事に携わりたいと考えるようになりました。
その中で、公的な立場で人材育成に取り組む公益財団法人のほうが、自分の思いに近いと感じました。
シトラさん:
私の軸は、「①人と接し、サポートすること(生活向上や育成)」「②社会貢献(団体の理念に心から共感できるか)」「③自分の力が活かせること(言語や異文化理解)」でした。
キャリアセンターの先生からも「NPOやNGOのようなノンプロフィット(非営利)な組織が合うのでは」とアドバイスをもらいました。

新卒で国際協力のキャリアをスタート、その決め手は?
――最終的にオイスカを選んだ理由を教えてください。
シトラさん:
オイスカのことは、キャリアセンターを通じて知ったのですが、ホームページで活動内容をみた瞬間「これだ」と強く共感して、志望動機がスラスラ書けたんです。
「もし内定をいただけたら、ここで就活を終えよう」と決めていたほど、ピンと来ていましたね。
濵崎さん:
私は利益追求だけでなく地域の人との繋がりを大切にしている点と、何より現場との距離の近さを感じて、オイスカに決めました。
また、内定をいただいていてから、支部の研修センターに見学に行く機会もあり、入社後のイメージを持てたことも決め手です。
シトラさん:
私も、選考中に実際に働いている職員の方とたくさんお話ししました。
また、面接を受ける中で日本語に不安があったのですが、採用担当者の方に「問題ないですよ」と言っていただいたことで安心できました。
――新卒1年目ですが、実際に現場に出る機会は多いですか?
シトラさん:
そうですね。私は技能実習生が働く企業への巡回指導などで、月1回くらいのペースで外に出ています。

オイスカ国際理事会後に参加者との静岡ツアーの様子
濵崎さん:
月1回!?すごい、そんなに行ってるんだ。
シトラさん:
近場の県も含めてですが、現場との距離は本当に近いと感じています。
濵崎さん:
私はデスクワークがメインですが、それでも2ヶ月に1回くらいは出張があります。
グローバルフェスタのようなイベントや、先日は福岡の西日本センターにも行ってきました。
職種が違っても、希望していた通り現場に近い場所で働けている実感はありますね。

オイスカ西日本研修センターでの収穫後の作業の様子
現場に触れ、価値観を語る――国際協力を目指すあなたへ
――最後に、これから国際協力業界を目指す学生へアドバイスをお願いします。
シトラさん:
まずは少しでも興味が湧いたら挑戦してみる・やってみることが大事だと思います。
NPO/NGOは、ボランティアやインターンシップの機会も多いはずです。
実際に現場に足を運ぶことで、「自分はこの仕事が好きなのか」「自分の強みを活かせるか」といった自己分析も進みます。
自分の価値観に合う団体は必ずあると思うので、自分を信じて行動してみてほしいです。
濵崎さん:
私も、団体の説明会やグローバルフェスタのようなイベント、OB訪問などを活用して、直接、国際協力業界で働く先輩の話を聞くことをお勧めします。
それと、就活のテクニックだけでなく、家族や友人と「自分はどんな価値観を大切にしたいのか」を話してみるのも良いと思います。

編集後記
「新卒で国際協力は難しい」というイメージがありましたが、今回の取材を通じて、その固定観念が変わっていくのを感じました。
近年は、新卒の選考スケジュールが早まり、焦りを感じる学生も多いと思います。
しかし、お二人の話から学生時代に自分のやりたいことや価値観を大切にし、やり切ることが何より大事だと気づかされました。
また、インターンだけでなく、学生が参加できるボランティアやキャリアイベントもたくさんあります。
気になる企業や団体があれば積極的に参加するのが良いかもしれませんね。
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