国際キャリアフォーラム in 京都

イベントレポート

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イベントスペース | 基調講演 13:15~14:00

基調講演「私の選んだ国際キャリア」

安田 大志
株式会社 坂ノ途中 執行役員 海ノ向こうコーヒー事業 産地担当

「私の選んだ国際キャリア」と題した基調講演に登壇したのは、株式会社 坂ノ途中 執行役員/海ノ向こうコーヒー事業 産地担当の安田 大志氏。
現在のキャリアに至るまでのきっかけや、キャリアを考える上で大切にしているのは、「旗をたてる」「迷い続ける」という2つのことだとお話ししていただきました。


“百年先も続く、農業を”がモットーの「株式会社 坂ノ途中」は、日本国内を中心に持続可能な農業を目指している企業です。国内で農業を始める人たちは、美味しい野菜を作ることができても、少量不安定で既存の市場に乗りにくいという課題があるそうです。「坂ノ途中」は、そういった野菜の販路開拓サポートをしています。


安田氏は、現在、年の3分の1ほどはアジアのコーヒー産地をまわってコーヒー豆を買い、日本で販売する仕事をされています。なぜ、主に国内で農業のサポートをしている「坂ノ途中」がコーヒー事業をはじめたのかというと、「ラオスの森がどんどん減っている」という話を聞いたから。その理由は、焼き畑農業のサイクル・スピードが早くなり、土地が痩せてしまったからだとされています。
そこで注目したのが「コーヒーの木」。コーヒーの木は森の中の日陰でも育てられるため、生産者は安定した収入を得ることができます。そのため、生産者の収入を確保しつつ森の保護につなげようという取り組みがラオスで始まりました。 現在は8ヶ国・13地域で、アジアでのコーヒー生産の取り組みが行なわれており、「坂ノ途中」は、販路の多様化を手伝い、技術知識を伝え、投資を行っているそうです。


現在のキャリアに至るまでのきかっけは、小学校の頃、アンコールワット遺跡に行ったこと。そこで、金を乞う、片足のない子どもを見たことだったそうです。自分とその子どもの間に何があるのか?そこにアンテナがたって、関心が生まれたといいます。国際政策の勉強をしたり、バックパッカーとして旅に出てインドの子どもたちにダンスを教える先生をしてみたり。いろいろやってみた結果、「途上国の農村部の暮らしがもうちょっと豊かだったら」と考えるようになり、そんな中、今の会社を見つけたとのことです。


キャリアを考える上では、「旗をたてる」「迷い続ける」という2つのことを大切にしているという安田氏。
「旗をたてる」というのは、そもそも自分は何がしたいのか決め、発信し、動いてみるということ。そして、「迷い続ける」というのは、1回決めたからやり通さなければいけないと考えるのではなく、いろいろやりながら軌道修正するということ。
「とりあえず何かをやってみる。やりながらクヨクヨする」の順番が良いと、ご自分のリアルなお話を交えて説明くださいました。


安田氏:

「いったん“コーヒーのことができる人”として旗をたてて、そこに関わってくれる人がでてきたから、次のキャリアをどうしようかと考えています。フード、環境、IT、いろいろあるので、少しずつ広げていきたいです。とはいえ、決めたこともどんどん変えていけばいいと思っています。
農家から感謝されたことはありませんが、それでもやっています。農家とは意見がぶつかってばかりです。自分が信じていることが正しいかはわかりませんが、それでも挑戦を続けています」
と、ありのままに想いを伝えてくださいました。