国際キャリアフォーラム in 京都

イベントレポート

PROGRAM

プログラム

イベントスペース | セッション 15:40~16:40

セッション「グローバル視点で日本を変える」

阪本 純子
京都市ソーシャルイノベーション研究所・イノベーション・コーディネーター
西田 太一
JAMMIN合同会社 代表

阪本 純子 京都市ソーシャルイノベーション研究所・イノベーション・コーディネーター

「グローバル視点で日本を変える」と題したセッションの初めに登壇したのは、京都市ソーシャルイノベーション研究所・イノベーション・コーディネーター 阪本 純子氏です。
阪本氏はご自身のキャリアの紹介とともに、「ライフスタイルの変化は選択肢が広がるチャンス」であるとお話しされました。


京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)は、京都市でさまざまな社会的課題をビジネスの手法で解決する企業の創出を図るため、8年前からソーシャルイノベーションの創出支援に取り組んでいます。
実際どのような事業を行っているかというと、「これからの1000年を紡ぐ企業認定」という、1000年続く社会を作るという理念に基づき、地域社会や未来への配慮・アプローチを行っている企業の認定、支援をしています。また、イノベーション・キュレーター塾という、社内・社外問わず、過去にない仕事を生む「変化の担い手」を育成する塾の運営をされているとのことです。阪本氏も、一期生として卒塾した一人でした。


阪本氏が国際協力に関心を持ったのは30代になってから。大学卒業後、企業で働いていたとき、青年海外協力隊に応募してアフリカに行く同僚や、身近な方の話を聞く機会から興味を持ったそうです。会社を退職し、青年海外協力隊として活動した阪本氏は、その後SILKのイノベーション・キュレーター塾を受講。そこで“ありたい未来”について徹底的に考える中で、「一人ひとりが社会の中で存在価値・役割を感じながら、生き生きと暮らすことができる社会。未来への関心が高まり、次の世代につなげたいと思える世の中」にしたいという思いが生まれたと語ってくださいました。


キャリアを振り返って阪本氏は、「国際協力に関心のある方のライフステージについて考えるとき、結婚・出産を経て働けなくなってしまった方の話も聞きますが、そういった制約条件はむしろ、選択肢が広がるチャンスです。また、ありたい未来から考え、自分の中の好奇心を大切にすることで、自分は『会社だけの人生』という枠を出て考えられるようになりました」と話してくださいました。


阪本氏:

「よく、キャリアを考える時に、『本当の自分って何だろう?』『自分探しをしなきゃ』となりますが、『本当の自分』というのはありません。多様な関係性のなかで“自分”があるのです。」

西田 太一 JAMMIN合同会社 代表

セッション後半ではJAMMIN合同会社 代表の西田 太一氏に登壇いただきました。
西田氏はキャリアのターニングポイントや、パッション・使命感の大切さについてお話されました。


JAMMINは、京都発チャリティー専門のファッションブランド。「チャリティーをもっと楽しく、身近に」をモットーに、毎週新しいNPOとのコラボ商品(6種類ほどのTシャツ)をリリースして、チャリティーを集め、知ってもらうことを目的とする会社です。


日本では若者たちの寄付額が少ないからこそ、若者たちにチャリティーを根づかせていこうと考えた西田氏は、若者に興味を持ってもらえるものということで「ファッション」を選び、2013年にJAMMINを設立しました。京都で起業したのは、ネームバリューや伝統・文化、ベンチャー風土、2大都市へのアクセスの良さに気づいたからだそうです。


西田氏のターニングポイントは、大学4年生のとき。途上国の水問題を研究することになり、内戦中のスリランカで調査を行ったことがきっかけでした。「スリランカで訪れたような、10人、100人の小さな村だったら、“僕でも”水をキレイにすることができそう。」そう感じたのがきっかけでした。その後、途上国に魅了され大学院に進学。世界の水問題は僕が解決する!と楽しく研究をしたと話してくださいました。


「途上国に関わる仕事がしたい、ゼロから問題解決できる仕事がしたい」と考え、一番向いているのが開発コンサルタントだと思った西田氏はパシフィックコンサルタンツ株式会社に入社。5年勤めたのち、アウトプットが10年、20年、30年後となってしまう当時の仕事と、すぐにやらなければいけないことがある途上国の状況とのギャップに歯がゆさを感じ、30歳の誕生日に退職し、JAMMINを立ち上げました。


西田氏:

「毎週出会うさまざまなNPO代表・スタッフ、現場を通じて『パッション・使命感の大切さ』を感じています。ビジネスとしてやるだけでなく、誰のためにやるのかという意識、そして関わる人たちを家族だと思い、自分自身が楽しむことを大切にしています。」