ケニアの紅茶を飲みながら交流も!
気軽にできる国際協力「プチPLA」参加レポート


皆さんが思い浮かべる国際協力とは少し違う、「ちょっと変わった国際協力」の事例をライターが取材して実際に体験!
今回は、国際協力初心者であるライターOが、エイズ孤児支援NGO・PLASが主催するボランティアイベント「プチPLA~アフリカをもっと身近に~」を取材してきました。


この記事を書いた人
ライター O

関東在住。教育系企業を経て、ライターに。国際協力のイベントには今回が初参加。
幅広いジャンルでの執筆経験を活かして、国際協力の魅力を紹介していきます。

イベント概要


気軽に国際ボランティアが経験できるイベント「プチPLA」

「気軽なボランティアを通して、ちょっとでもアフリカやPLASについて知ってほしい――」

プチPLA(プチプラ)は、そんな思いで企画されたイベントです。主催しているのは、アフリカのウガンダとケニアで支援を行っているエイズ孤児支援NGO・PLAS(以下、PLAS)。

「ボランティアイベントって、どんな感じなんだろう…?」「アフリカについてほとんど知らないけれど、私にも力になれるのかな」「どんな人たちと出会えるのかな」など、ほんの少しの不安と期待を抱えながら、会場に向かいました。

アットホームな雰囲気で「プチPLA」スタート!

会場はPLASのオフィス。少し早めに到着すると、早速参加者の方々が集まってきました。中には、このイベントを楽しみに待ちわびていて、開始30分も前に到着した方も。期待の高さがうかがえます。

参加者が揃い、イベントがスタート。司会の石田彩華さん(PLAS広報・コミュニケーション担当)から、イベントの流れの説明とともに、運営側である石田さんと原田萌花さん(PLASインターン生)の自己紹介がありました。

石田さんは、学生時代インドにボランティアに行ったことを機に女性の地位や貧困問題といった社会課題に関心を持つようになり、国内外のNPOやソーシャルビジネス企業でインターンを経験。
「現地で活動するというより、日本で社会課題に関心がある人たちを増やして一緒に社会を良くしていきたい」との思いで、一般企業を経てPLASに入職されたそうです。

広報・コミュニケーションチームでインターンを行う原田さんは、昨年度に韓国に留学し、現地の授業の中で貧困や国際協力について学んで興味を持ち、帰国後にPLASでインターンを開始。将来的にはアフリカをはじめインド、東南アジアなどの海外に積極的に行きたいと語ってくれました。
語学の勉強が好きで、韓国語・英語・中国語・ベトナム語を個人的に勉強しているそうです。すごい!

おふたりの自己紹介の後、参加者全員の自己紹介タイムに移りました。
アイスブレイクとして用意されたお題「24時間以内に起きてよかったこと」とともに、6名の参加者が自己紹介を行いました。

「朝柴犬の散歩を見ることができた」「いつもは迷ってなかなか目的地に辿り着かないのだが、今朝はまっすぐ会場に到着できた」といった何気ない日常の話で盛り上がり、アットホームな雰囲気でスタートしました。

みんなで手分けしてボランティア作業!

続いて、早速ボランティア作業を行っていきます。今回は2つのグループに分かれて、グループごとに異なる作業を実施しました。

1つのグループは、年次報告書の発送準備作業です。PLASが以前行ったチャリティーイベントの参加者に対し、『年次報告書』という冊子を送付します。『年次報告書』には、キャンペーンのチラシを挟み、封筒に入れます。封筒には切手とマンスリーサポーターの宛名シールを貼り、PLASのハンコを押して、糊で封をし、完成です。

もう1つのグループが担当するのは、マンスリーサポーター会員宛のカード作成です。各マンスリーサポーターのサポート歴に合わせて、数字を書き入れ、切手を貼ります。

私は年次報告書の発送準備のチームで作業。手分けして作業を進めながら、グループの皆さんと雑談。皆さん初対面でしたが、作業をしながらなのでかしこまることなく、自然に会話が生まれていました。

「なぜこのイベントに参加されたのですか?」「これまでボランティアに参加したことはありますか?」など、年齢や立場を超えて、和気あいあいと話が盛り上がりました。

聞いてみると、ほとんどの方がPLASのイベントは初参加。ただ、過去にユニセフに募金をしていたことがあったり、他のNGO団体のイベントに参加経験があったりと、ボランティア活動には意欲的な方々が集まっている印象でした。

ティータイムにはケニア産の紅茶を飲みながら

作業後は少しブレイクタイムということで、ケニア産の紅茶「Kericho Gold」をいただきます。インターンの原田さんからおいしい紅茶の淹れ方のレクチャーがあり、意外と知らなかった正しいティーバッグの使い方も教えてもらいました。

いざ、実飲。甘い香りがしながらも味はすっきりと飲みやすく、おいしい紅茶でした!

アフリカにはまだまだたくさんの課題がある

紅茶をいただきながら、最後にPLASの活動紹介のパートに移りました。

PLASは「取り残された子どもたちが前向きに生きられる社会」をミッションに、ケニアとウガンダで活動しています。その活動内容を石田さんが紹介してくれました。

冒頭、「よかったら子どもたちが直面する課題を一緒に考えてみてください」とアフリカに関するクイズを出題。

「ケニアとウガンダで小学校に入学できる子どもの割合は?」

A:約30%
B:約60%
C:約80%

参加者は「A:約30%」と予想する人が一番多かったです。しかし、正解は「C:約80%」。

「意外と高いのだな」と思ったのもつかの間、小学校に入学することができても、そのうち「4人に3人が卒業できない」という事実があるようです。
その背景には、家庭の貧困や早すぎる妊娠・出産など。この後、石田さんから、ケニアとウガンダのPLAS支援地域が抱える課題が語られました。

後半で、もう1つのクイズが出題されました。

「PLASが早すぎる妊娠と出産への取り組みをしているケニアのホマベイ郡という地域において、10代の女の子が妊娠・出産を経験する割合は?」

A:約1.3%
B:約18%
C:約33%

こちらの正解は約33%。地域にいる10代の女の子のうち、3人に1人が妊娠・出産を経験していると思うと驚きですね。

早すぎる妊娠・出産は、当事者の子どもたちの教育機会を失わせて職業選択の幅を狭めます。それは将来の貧困を招きますし、身体の未発達な状態での妊娠・出産は、母体と赤ちゃんの健康リスクも大きくなります。

このような課題に対して、PLASはさまざまな方法で支援を行っているそうです。

石田さんは、「これまで子どもの将来を考えるという発想がなかった母親が、PLASの支援を通じ進学や就職など、未来への希望を考えられるようになった」というエピソードを紹介してくださりました。
一気に全てを解決するのは難しいかもしれませんが、少しずつの支援が誰かのためになれる、と感じられました。

ボランティアのイメージに変化も?参加者の感想を紹介

活動紹介を終えて、イベント本編は終了。参加者アンケートを実施すると、皆さん黙々と、熱心に記入してくれました。

参加者の感想を少しご紹介します!

「アフリカでどのような社会課題があるのかを知ることができました。また、HIVの問題に対して行っている支援の内容を具体的に知ることができた点が良かったです」(30代女性・会社員)

「参加前は寄付をする方はもう少し『堅い』イメージがありましたが、参加後は皆さんやわらかく、とても笑顔で参加されていて安心しました」(50代女性・主婦)

「交流しながら支援方法を学んだり活動できたこと、紅茶を飲みながら、というのがなかなかボランティアとしてないので、新しいなと思うと同時にボランティア支援の身近さを感じられました」(20代女性・学生)

交流することで仲間も増える!国際協力は身近で小さな行動から

今回のイベントに参加するまで、ボランティアのイメージは海外に行ったり募金をしたりすることだけだったのですが、それ以外にも貢献できる方法があるということに気づくことができました。作業には意外と時間と手間がかかりましたが、「この地道な一つひとつの作業が支援者のためになり、それはひいてはアフリカの子どもたちのためになるのだな」と感じる時間でした。すべての作業が終わるころには皆さんすっかり緊張も解けて達成感にあふれ、仲良くなれて、交流としても意味のあるイベントだったと思います。

参加者同士の交流を目的に、イベントやボランティアに訪れてみるのも楽しいかもしれない。そんな風に感じられたイベントでした!(ライターO)


第2段はこちら
☆国際協力イベント「プチPLA」の裏側をご紹介した記事はこちらから♪

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