はじめての企画調査員(企画)特集㊦国際協力キャリアを歩む上で基盤となるチカラを伸ばす!~ケイケンとキャリア~
2020年度下半期(2020年10月~2021年3月)に派遣されるJICA企画調査員(企画)全ポストの公募が、
3月6日(金)から3月24日(火)の期間で始まりました(※日本時間正午締切)。
PARTNERでは、「企画調査員(企画)」に初めて応募する方に向けて、特集を行っています。
今回は、企画調査員(企画)の経験とキャリアをテーマに、経験者の具体的なお話を交えてご紹介いたします。
◆目次◆
- 1.企画調査員(企画)経験者は、任期後どのようなキャリアを歩んでいる?
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2.企画調査員(企画)経験者に聞く!
~現在のキャリアにどのように活かされていますか?~ - 3.応募のポイント
【1.企画調査員(企画)経験者は、任期後どのようなキャリアを歩んでいる?】
▼多様なキャリアパス
企画調査員(企画)の2年間の任期を終えた後、経験者はどのようなキャリアを歩んでいるのでしょうか。
もちろん、別の国や分野で再び企画調査員(企画)として働くことを選択する人もいます。
その他、多くの方が、様々な立場で国際協力分野におけるキャリアを歩んでいます。例えば、開発コンサルタントやJICA専門家、国際機関職員にチャレンジされる方がいます。また、長期的には、プロジェクトのチーフアドバイザーといった専門分野の知見をさらに深めたキャリアに繋げています(図1)。
▼企画調査員(企画)を経験することで何が得られるの?
企画調査員(企画)はポストによって業務内容が異なります。そのため一概には言えないものの、以下のような視点や力を身につけることができるという声が経験者から寄せられています。
☑ 企画調査員(企画)は、開発途上国の政府機関等、カウンターパートと日本の様々な関係者を橋渡しする役割を担っており、国際協力に関わる様々な関係者がそれぞれどのような考えを持っているのかを理解することができる。
☑ 現場の様々なニーズを把握することを通して、
自分自身の問題意識を明確化・整理
することに繋がる。
☑ ナショナルスタッフや政府関係者と共に仕事をすることを通して、
多文化コミュニケーションの力
が身につく。
☑ プロジェクトなどの実施中に生じる様々な問題を解決していくことを通して、
マネジメント力
が身につく。
☑ 特定の分野課題にフォーカスして、法規制や技術、資機材の調達方法等、様々な切り口から接することで、
包括的な視点
が得られる。
続いて、JICAタンザニア事務所にて企画調査員(企画)として運輸・エネルギー分野を担当し、現在JICA産業開発・公共政策部で特別嘱託としてご活躍されている、橘英輔さんにお話を伺いました。
【2.企画調査員(企画)経験者に聞く!~現在のキャリアにどのように活かされていますか?~】
▼企画調査員(企画)に応募した理由を教えてください。
アフリカの開発の仕事をしたいという思いのもと、大学・大学院での研究と、JICA本部や外務省で仕事をしていた私にとって、現場での仕事は常に目指していたポストでした。現場での仕事なしに開発の仕事は語れないとの信念がありました。私の場合、国際機関を念頭にアフリカでのインフラ分野の専門性を磨くキャリアを志望していたところ、多くのインフラ案件を実施し、援助協調の先頭を走るタンザニアでのインフラ企画調査員の公募があり、応募することにしました。
▼企画調査員(企画)としての経験は、その後のキャリアにとって、どのように活かされていますか。
案件が実施され、また顧客もいる現場での業務ですので、開発の仕事の全てが詰まっていると思います。仕事自体がおもしろいだけではなく、セクターの専門性、現場感、援助スキーム、マネジメント、コミュニケーション力と、問われる力を総動員して途上国の課題に挑む仕事でした。私は、その後、南アフリカでインフラ・アドバイザーとしてNEPADというアフリカの国際機関に派遣されて国境を跨ぐ広域のインフラ案件の計画・調整に携わりましたが、タンザニアで養った現場感、プロジェクトの経験、現地政府や他ドナーとのコミュニケーション力などが活きました。
また、その後の自分のキャリアとして、インフラ・ファイナンスの2つ目の修士、現在のJICA資源・エネルギーグループでの業務と、自分の専門性を深めていくきっかけにもなりました。JICA事務所や先方政府のメンバーにも恵まれ、タンザニアでの企画調査員(企画)の経験は、私のキャリアにとって重要な礎になっていると日々感じています。
このように、企画調査員(企画)の経験は、途上国の現場で国際協力に必要な力やスキルを身につけながら、その後の国際協力キャリアの基盤を築くものになるようです。
【3.応募のポイント】
最後に、はじめて企画調査員(企画)に応募される方に参考にしていただきたい応募のポイントを2点ご紹介します。
▼どの程度の関連実務経験が必要?業務の難易度は?
企画調査員(企画)は業務格付が設定されており、それぞれの格付に対して求められる関連実務経験年数の目安が示されています。
例えば、業務格付A~C号の場合、それらの関連実務経験年数は次の図2のようになります。業務格付に応じて、担当業務の難易度も異なります。
応募の際には、そのポストにおいてどのようなレベルでの業務遂行が求められているのかを確認してみてください。
※格付については、案件リスト及び案件概要表をご確認ください。
▼どのような資質・能力が求められる?
それぞれのポストで求める資質と能力は、案件概要表において、★1つ~3つで設定されています。★の数が多いほど、その項目を重視していることを表します。
図3は業務格付ごとの★の数の平均を表したものです。
マネジメント力とコミュニケーション力がどの格付でも重視されていることが分かります。
その他、案件概要表には、期待される成果や業務内容など、JICA在外事務所から応募される方に宛てたメッセージが詰まっていますので、是非じっくりと読み込んでみてください。
皆さまのご応募を心よりお待ちしています!
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はじめての企画調査員(企画)特集㊤ 途上国を舞台に、JICA事業のライフサイクルの全てに関わる! ~シゴトとスキル~
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「JICA海外事業を支える企画調査員~(中)どんなキャリア?
「40代まで縁遠かった国際協力。関西の生粋の商売人が中小企業で培ったノウハウを活かす。」(JICAカンボジア事務所 西風徹さん)
「プロジェクトの円滑実施のため、国や人をつなぎ調整。」(JICAヨルダン事務所 バラダみどりさん)
JICA国際協力人材部
人材確保課
浅川裕子
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