第129号 PARTNERコラム
専門性を活かす国際協力キャリア。どう築く?
JICA人事部開発協力人材室の米田より、専門性を活かす国際協力キャリアについて、私自身の経験も踏まえ、お話をしたいと思います。
わたしのキャリアの転機
私の職業人生の始まりは、病院での医療技術職で、最初の転機となったのはJICA海外協力隊への参加です。
現場で、現場の人々とともに、現場のために働くのが大好きでした。
JICA海外協力隊としての活動後、よりパワーアップして現場に戻ることを目標にイギリスに修士留学をし、障害者支援等について学びました。
その後、JICAの技術協力プロジェクト専門家として、タイのリハビリテーション施策の改善に向けて、現場で尽力しました。
これが2つ目の転機となり、キャリアチェンジを果たして、現在は総合職として本部に勤務しています(詳細はこちら)。

修士課程を過ごしたイギリス・リーズ大学
キャリアの棚卸しとは・・・?
キャリアを考える上で、まずは、「棚卸し」をすることをおすすめします。
キャリアの棚卸しとは、これまでの職務経験やそこから身に付けたスキル、また実績などを洗い出して整理する作業のことです。
これにより自身の強みやその再現性、得意分野や志向性、モチベーションの源についても明らかにしていきます。
私の場合、①意思・能力・資質・向き/不向き・好き/嫌いなどを「棚卸」し、②目指すもの(短・中・長期)の再確認を行い、③市場の需要を調査・確認しつつ、次のステップへと進んできました。
この①②③の繰り返しは専門性の有無に関わらず、キャリアを築いていく上で必要不可欠だと考えています。
キャリア形成で心に留めておくべき2か条
専門性を武器に国際協力業界でキャリア形成といった時に、心に留めておくべきことが2つあると思っています。
1つ目はキャリア形成の「軸」です。これは例えば以下の様なものがあると考えます。
- ・スペシャリストとして現場で実践・働く/マネージャーとして計画・調整業務
- ・開発課題・分野で直接事業を実施する/開発課題・分野に関わらず事業マネジメントを行う/事務で後方から事業を支える
- ・国内で働く/海外で働く
- ・政府間での協力・支援に携わる/住民間での協力・支援に携わる
- ・ODA・国際機関・NGOなど公的・非営利な事業を通して協力・支援する/営利目的としたビジネス事業を通して協力する …………………等々
これらと自身の専門性、そして何よりも大切な意思をかけあわせ、目指すものを折々で見つめ直すと良いと思います。
2つ目は専門性の活かし方です。
「専門性を活かす」イコール、全てが全て「現場での技術移転・共創」ということではありません。
例えば、学校で授業を行うだけ、病院で検査や治療の仕方を教えるだけ、専門的な助言をするだけといったポストは、それほど多くないように思います。
今ある市場のポストにおいて、専門的な見地からどのように貢献できるか、業務を通して専門性を更に高められる・広げられるか、そしてその先にはどういった自分がいるのか、その自分が今考えるキャリアの方向性と合致するのか、といったことをよく考え、一つ一つのキャリアを積むことが大切だと考えます。

JICA海外協力隊として訪れたガーナの身体障害者職業訓練学校
まずは、先輩の活躍を見てみよう!
最後に、志を同じにする仲間・先輩などたくさんの人と話し、キャリアについて意見交換をすることも、とても助けになります。
一人として同じキャリアパスを歩む人はいませんし、完全なロールモデルというものも(私は)存在しないと思っています。だからこそ、多くの人の考えやキャリアパスをのぞき見するのが大切だと強く思います。
ということで、現在JICAで専門性を活かして活躍されている方々を、新設しましたPARTNERのページにてご紹介します。
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アソシエイト専門員とは
・ 特別嘱託とは
・ ジュニア専門員とは
JICA 人事部開発協力人材室
米田 裕香
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