日本における国際協力の役割

ビジネス目線の取り組み

さらに国際協力は、単なる人道援助を越えた大きなメリットを私たちにもたらします。一つは先ほど述べた私たちの日々の生活の安定を確保するために、そしてもう一つはビジネスの面で大きなチャンスです。

アフリカ、アジア、中南米などの開発途上国の多くは豊富な天然資源および人的資源、そして拡大する市場を有しています。しかし、政治不安や経済の悪化により、それらを有効活用出来ていない例が多くあります。それを生かすことができるのが企業の力です。特に世界が注目する日本の企業の優れた技術やアイデアには、開発途上国からも熱い視線が注がれています。そして、その企業と開発途上国との橋渡しができるのがJICAなのです。


現在JICAは、国内14ヵ所、海外約100ヵ所の拠点を通して150以上の国・地域でODA事業を展開し、海外の膨大な現地情報や豊富なネットワークを有しています。JICAが海外での企業活動をサポートし、連携することによって、これまで世界各地で多くの事業を実現してきました。JICAが目指すのは、開発途上国と民間企業とODAがそれぞれの強みを発揮できる関係になることであり、その関係をつなぐ場所としてPARTNERがあります。


現在は先進国の一翼を担うわが国ですが、実は1953年に世界銀行から巨額の資金援助を受けていたということはあまり知られていない事実です。この時の資金により東海道新幹線や東名高速道路を建設し、日本は戦後の荒廃から経済大国の道へと歩み始めました。その日本が開発途上国に対してできることは何か、今、世界中からの大きな期待と注目が日本に集まっています。

日本における国際協力の役割